人生ミスっても自殺しないで、旅 諸隈元著
コロナで旅行に行けないので旅の本を買いました。
著者はルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタインの哲学を小説にするために家に7年間閉
じこもります。その小説は評価されず生きていく意味を失う。そして旅に出る。
ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタインのゆかりの地を旅する話です。
キャシングしようとATMにカードを入れると出てこない。金がないので駅で野宿したら
片腕のない黒人に興味のないCDを売りつけられる。断れなくて追加料金まで取られる。
海外旅行でよくきくトラブルですが、著者の語りが面白くて一気に読みました。
著者は文章の書き方についてパウル・クレーのように書くべきだ。理論は解らない。た
だ何となくわかっている。と述べています。時間軸にとらわれない文章が魅力です。
これは一粒で三度おいしい本でした。旅行と哲学とアートの蘊蓄が語られています。