bouzan takami

書的田舎暮らし

川端康成「魔界」の書

川端康成「魔界」の書 疋田寛吉著

 

著者は小学生になる前から筆を持ちなれていたが、書家について習ったことはなかった。正式に書を習いたいと思い川端康成に書家を紹介してほしいと頼んだところ、書家に習う必要はないといわれたそうです。

 

川端康成の書についての考え方は、唐、宋以降の書はどのようにも書けるし、どのように書いてもよい。

 

どのように書いてもよいとは言っても、筆を持って落書きをすすめていたわけではない。初期の川端康成は唐、宋の規範となる書を身につけて正統派の書を書いています。

 

川端康成の書は端正な書から晩期の書法にとらわれない豪快な書に大きく変化しました。なぜ正統な書から異端の書に変わったのか。書に対する見方が変わったからだと思います。

 

見る力が尋常ではない。草間彌生がまだ無名のころに個展を見に行って購入しています。古美術から現代アートまで幅広く作品を収集して鑑賞しています。

 

晩年の川端康成は書以外余技であると言っていたようです。書が文学に従属したものではなく、書として独自の世界を持っているのがわかったから独自の書風を確立したのだとおもいます。

 

 

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姫路文学館 望景亭