bouzan takami

書的田舎暮らし

良寛への道 言葉に生きる

良寛への道 言葉に生きる 岡田勝明著

 

著者は夏目漱石良寛さんの遺墨を求めたのは、芸術品の鑑賞のために求めたのではなく、自己の生き方、自己の救いの問題として必要としたと述べています。良寛さんの書を評価する重要な要素は求道者としての生き方にあると思います。

良寛さんの生きた江戸末期に思想、哲学のない技術だけの書はだめだと、同時代の書家の共通の認識として共有されていたと思います。寺を待たない求道者としての良寛さんの書は高い評価を受けていた。明治になってから夏目漱石が求めてもなかなか手に入らないほど人気があったのでしょう。

明治時代に岡倉天心小山正太郎書による美術論争がありましたが、書の場合には技術や知識よりも書家の生き方を重要視するケースが多いと思います。飾るための美術ではないようです。

魯山人は地位や肩書を振り回して形だけの書を書いている書家を罵倒した。権威に惑わされないから良寛さんの書の良さがわかっていたと思います。魯山人が様を付けたのは良寛さんだけです。

 

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