bouzan takami

書的田舎暮らし

騙る

騙る 黒川博行

帯びに「著者の十八番傑作美術ミステリー」と書いてあるように、美術系大学卒業で美術教師をしていた著者は美術の知識を持ったうえで、しっかりと取材をしているので贋作のリアリティがあります。骨董の世界は価値と値段を見極めるのは素人にはむずかしいので騙されやすいようです。美術ブローカーの騙し手口は、不動産詐欺の地面師のやり方です。

アート自体がいかがわしさを含んでいるので、いかがわしいものがアートとも言えます。アート=教養ではなくそれに+いかがわしい人物で美術ミステリー小説に仕上がっています。短編集で関西弁の軽妙な会話でテンポがよいので読みやすい。

3Dプリンターで古銭の贋作を作る話が面白かった。だましのテクニックは同じでも贋作作りの技術はテクノロジーの進歩により贋作対象が増えて、より巧妙になっているようです。