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書的田舎暮らし

坂口安吾の未発表原稿発見

共同通信社の記事

 堕落論」などで知られる作家坂口安吾(1906~55年)が太平洋戦争前に執筆したとみられる原稿用紙41枚の未発表作品が見つかったことが10日、分かった。
浅子逸男・花園大教授(日本近代文学)が昨年11月に東京都内の古書店で入手し、
坂口安吾全集の編集に携わった文芸評論家の七北数人さんと分析を進めていた。

 浅子教授は「一度、活字になった原稿ではなく、未発表の生原稿が出てきたのは大変な衝撃。戦中から戦後に至る安吾作品の流れが分かり、とても興味深い」と語った。
浅子教授によると、筆跡や言葉遣いから安吾の直筆と断定。使われた用紙から36~41年の執筆とみられる。

坂口安吾は好きな作家です。「桜の森の満開の下」は何度も読み返しました。読者を突き放したような剛直な文体に惹かれます。堕落論を書いて戦後流行作家になり旺盛な執筆活動をしましたが、未発表原稿が書かれたのは不遇な時期だったと思います。

優れた作家は売れない荒野の10年を糧にして大成します。坂口安吾の雌伏していた時代の原稿を読んでみたい。

 


 

和紙の里杉原

白い紙には神宿るといわれています。

古代より和紙は貴重品であり、神に供える神聖なものでした。鎌倉幕府の公文書は杉原の紙が指定されていました。日本有数の和紙の産地として栄えていましたが、明治に西洋の製紙技術が導入されてから徐々に衰退していきます。いったん途絶えた伝統技術を壽岳文章氏の和紙研究により紙漉きが復活しました。研究所の隣に寿岳文庫があり、和紙に関する文献が展示されています。

和紙研究所のそばに清流があり、川ならしができます。楮の白皮を杉原川に一昼夜浸して、冷水、日光、雪など自然を利用して白くする。寒いほど良い和紙ができるそうです。墨も寒いほど良いものができるといわれています。

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冬の杉原和紙研究所

国道をはさんで西側にはパワースポットとして有名な青玉神社があります。

推定樹齢千年といわれる杉があります。

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青玉神社

道の駅杉原紙の里。レストラン車留満と特産品の販売所があります。

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レストラン車留満

 

アイデアを考える方法

思考地図 エマニュエル・トッド著 大野舞訳

著者はソ連崩壊を予測したことで有名です。この本は自分の思考方法を解説した本です。哲学は役に立たない。頭の中だけで考える思考を否定しています。

1・処理能力としての知性

例えばIQテストなどで測定できるもののことです。計算的な「処理能力」といってもいいでしょう。

2・記憶力という知性

歴史学者になるために記憶力というのも1つの知性で、アイデアや意味を見出すまでに、大量の事実やデータをかき集める必要があり、そういう意味でも記憶力は大切だと言っています。

3・創造的知性

すでに手元にあるデータを説明する、あるいは形づくるために脳にあるさまざまな要素を自由に組み合わせ、関連づけることができる知性のことです。

3の創造的知性が斬新なアイデアを生み出すといっています。

無から何かを生み出すことはできない。思考の出発点はファクトやデータを集めて関連性を見出し、通常の状況から外れたものに関心を持つことだと言っています。

この本は日本向けに書かれて日本だけで出版されています。コロナの後日本がどうなるかの予測がされています。エマニュエル・トッドの予測通りになるかどうかわかりませんが。

 

アーティストからサラリーマンになる

 

直島誕生 秋元雄史著

著者の経歴を見ると、現代アート作家として作品を制作しながら、アート関係のライターをしていた。公立美術館で招待出品をするようになっていたが、生活は不安定だった。

35歳のとき新聞の求人欄にベネッセが運営する美術館の学芸員の募集を見た。創作活動から離れて生活のためにライターの仕事に忙しく、煮え切らない日々を過ごし、自分だけが取り残されていくような感覚を抱いていた時期だったので応募した。その時の気持ちは作品制作がダメでも、何か別の形でアートに直接かかわろうと思っていた。

35歳の中途採用として企業が運営する美術館に勤めるのは、自由に生きてきたアーティストにとって毎日朝早くから出勤することからして大変だったようです。価値を認められた美術作品より現代を生きるアーティストの作品を展示する美術館にするのはやりがいはあっても大変だったと思います。

戦後の日本はアメリカの占領政策の文化的な展開として、歌や音楽、映画、アニメなどから抽象表現主義ポップアート、ハイアート、デザインにいたるまでアメリカの影響を受けてきた。これが、今の課題や現実から逃れて、過去の日本的価値か、未来のアメリカの価値のいずれかのなかで物事を考えるという、文化に対する思考の無責任主義をもたらしたと著者はかんがえて、直島のアートを日本の現代アートとして世界的に評価されるアーティストをとりあげて直島に残すようにした。

独自性こそが普遍的なものであるというコンセプトで美術館を運営しています。それは今も直島にコアな思想として残っていて、瀬戸内芸術祭にもつよい影響を残しているようです。

ベネッセを退職して金沢21世紀美術の館長に就任されて、多くの観客を集める美術館にすることができたのも土地のリアリティと独自性を重要視しているからだと思います。

追記

アーティストからサラリーマンになれるし、サラリーマンからアーティストになれます。アートの仕事はアーティストにならなくても学芸員ギャラリスト、コレクターなど関連の仕事はいくらでもあるので、途中で方向転換するのも良いかもしれません。

 

 

 

 

植松永次展ー土と火 

兵庫陶芸美術館 植松永次展ー土と火 2020年12月12日~2021年2月21日

特別展ひょうごゆかりの古陶磁-丹波焼・三田焼・王地山焼展と同時開催されています。特別展では美術館所蔵作品でアレンジした「煎茶の道具立て」や「文房飾り」、
「料理の卓飾り」を展示してありました。陶芸が日常生活でどのように使われていたかをイメージできるように工夫されていました。特別展も植松永次展も写真撮影は許可されています。

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兵庫陶芸美術館01

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兵庫陶芸美術館 飾り付け

植松永次展ー土と火展

焼き物表現の新たな可能性を探る、彫刻とも陶芸とも見える作品です。器になる前のこれからなんにでもなれる自由な存在感を持つ作品です。なぜか懐かしい気分にさせてくれる雰囲気があります。作品を見ていると開放感がありました。

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兵庫陶芸美術館02

床に作品が置いてあるので歩くときには気を付けましょう。

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兵庫陶芸美術館03

 

持たざる者が勝つ リープフロッグ

リープフロッグとは遅れていた国が先進国を飛び越えていくことです。

中国は固定電話網が発達していなかったのでデジタルが発展して、5Gでは世界の最先端の技術力を持っています。ガソリンスタンドの設置が遅れていたので、電気自動車が普及しています。インターネット環境が貧弱で既得権を持つ者がいないので、アリババのような巨大なネット企業が生まれて、持たざるがゆえに最先端の国になることができた。

アイルランドは産業がなく貧しい国と言われてきましたが、デジタル経済を推し進めてGDPは日本の2倍になっています。先進国を飛び越えて逆転してしまうリープフロッグが世界で起きています。

リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 野口悠紀雄

著者は歴史は常に持たざる国が先進国を逆転してきた。それは国家だけでなく、企業や個人も同じで新しいものにチャレンジする勇気があれば逆転してリープフロッグできると述べられています。

買ってはいけないアート

教養としてのアート 投資としてのアート 徳光健治著

著者は現代アート販売のタグボートの経営者です。投資としてのアートの買い方が詳しく書かれています。

まず買ってはいけないアートとは。

1 価値の上がる仕組みのないところで、作品を買ってはいけない。これはギャラリーを選ぶ際に価格が上がらない安い作品ばかりを扱う店で買ってはいけないということです。

2 ずっと同じ作品ばかりを作っていて、代わり映えしない作家から買ってはいけない。買うべきは過去の作品と現在の作品を比べて、それが常に進化していて、新しいチャレンジをしているかどうか。

3 今を感じさせない作品は買ってはいけない。現代の社会を表現して斬新なテーマがあるかどうか、そして絶対的なオリジナリティが重要です。

アート購入の鉄則

1 同じアーティストの作品ばかりを買わない。幅広く多くのアーティストを知り、その中で吟味して買うことで知見が広がる。

2 ずっと同じギャラリーでは買わない。いわゆるギャラリーから見たら「いいお客さん」になってしまう。

3 工芸的な超絶技法は買う前にちょっと立ち止まる。現代アートはコンセプト重視なので技巧的に優れていても買う前にすこし躊躇したほうが良い。

4 ギャラリーでは取扱作家のファイルを見せてもらう。ギャラリーの取扱作家が20人だとすると、10軒回れば200人分のファイルを見ることができます、そうすると自分の好みの作家をみつけることができる。

5 作家の代表作を買うべし。DMやウエブサイトでメインビジュアルとなっている作品が気に入ったら買うべき。

6 インテリアに合わせて作品を選ばない。それはコレクションの幅を抑制し、良い作品蒐集にならない。

7 プロの作家を選ぶ。公募団体に所属している作家を選ばない。

作家が作品を制作し売る場合にも参考になると思います。