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書的田舎暮らし

植松永次展ー土と火 

兵庫陶芸美術館 植松永次展ー土と火 2020年12月12日~2021年2月21日

特別展ひょうごゆかりの古陶磁-丹波焼・三田焼・王地山焼展と同時開催されています。特別展では美術館所蔵作品でアレンジした「煎茶の道具立て」や「文房飾り」、
「料理の卓飾り」を展示してありました。陶芸が日常生活でどのように使われていたかをイメージできるように工夫されていました。特別展も植松永次展も写真撮影は許可されています。

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兵庫陶芸美術館01

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兵庫陶芸美術館 飾り付け

植松永次展ー土と火展

焼き物表現の新たな可能性を探る、彫刻とも陶芸とも見える作品です。器になる前のこれからなんにでもなれる自由な存在感を持つ作品です。なぜか懐かしい気分にさせてくれる雰囲気があります。作品を見ていると開放感がありました。

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兵庫陶芸美術館02

床に作品が置いてあるので歩くときには気を付けましょう。

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兵庫陶芸美術館03

 

持たざる者が勝つ リープフロッグ

リープフロッグとは遅れていた国が先進国を飛び越えていくことです。

中国は固定電話網が発達していなかったのでデジタルが発展して、5Gでは世界の最先端の技術力を持っています。ガソリンスタンドの設置が遅れていたので、電気自動車が普及しています。インターネット環境が貧弱で既得権を持つ者がいないので、アリババのような巨大なネット企業が生まれて、持たざるがゆえに最先端の国になることができた。

アイルランドは産業がなく貧しい国と言われてきましたが、デジタル経済を推し進めてGDPは日本の2倍になっています。先進国を飛び越えて逆転してしまうリープフロッグが世界で起きています。

リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 野口悠紀雄

著者は歴史は常に持たざる国が先進国を逆転してきた。それは国家だけでなく、企業や個人も同じで新しいものにチャレンジする勇気があれば逆転してリープフロッグできると述べられています。

買ってはいけないアート

教養としてのアート 投資としてのアート 徳光健治著

著者は現代アート販売のタグボートの経営者です。投資としてのアートの買い方が詳しく書かれています。

まず買ってはいけないアートとは。

1 価値の上がる仕組みのないところで、作品を買ってはいけない。これはギャラリーを選ぶ際に価格が上がらない安い作品ばかりを扱う店で買ってはいけないということです。

2 ずっと同じ作品ばかりを作っていて、代わり映えしない作家から買ってはいけない。買うべきは過去の作品と現在の作品を比べて、それが常に進化していて、新しいチャレンジをしているかどうか。

3 今を感じさせない作品は買ってはいけない。現代の社会を表現して斬新なテーマがあるかどうか、そして絶対的なオリジナリティが重要です。

アート購入の鉄則

1 同じアーティストの作品ばかりを買わない。幅広く多くのアーティストを知り、その中で吟味して買うことで知見が広がる。

2 ずっと同じギャラリーでは買わない。いわゆるギャラリーから見たら「いいお客さん」になってしまう。

3 工芸的な超絶技法は買う前にちょっと立ち止まる。現代アートはコンセプト重視なので技巧的に優れていても買う前にすこし躊躇したほうが良い。

4 ギャラリーでは取扱作家のファイルを見せてもらう。ギャラリーの取扱作家が20人だとすると、10軒回れば200人分のファイルを見ることができます、そうすると自分の好みの作家をみつけることができる。

5 作家の代表作を買うべし。DMやウエブサイトでメインビジュアルとなっている作品が気に入ったら買うべき。

6 インテリアに合わせて作品を選ばない。それはコレクションの幅を抑制し、良い作品蒐集にならない。

7 プロの作家を選ぶ。公募団体に所属している作家を選ばない。

作家が作品を制作し売る場合にも参考になると思います。

 

 

「グレート・ギャツビー」を追え

グレート・ギャツビー」を追え 村上春樹

 

原題はCamino Islandで翻訳者の村上春樹が「グレート・ギャツビー」を追えにしたのだと思います。プリンストン大学・ファイアストーン図書館からフィッツジェラルドの直筆原稿(長編小説5作)が強奪されて物語がはじまる。村上春樹にとってフィッツジェラルドは最も好きな作家の一人だし、プリンストン大学は身近な存在で楽しく翻訳したのだろうと思います。この小説の続編が出れば村上春樹の翻訳で読みたいです。

ジョン・グリシャムの「ザ・ファーム法律事務所」は小説も映画も見ました。社会性のある小説でしたが「グレートギャッツビー」を追えはエンターテイメント性のつよい作品です。小説を書くインテリの書店経営者と女流小説家の恋愛と古書の闇取引を絡めてハードボイルドな小説になっています。

騙る

騙る 黒川博行

帯びに「著者の十八番傑作美術ミステリー」と書いてあるように、美術系大学卒業で美術教師をしていた著者は美術の知識を持ったうえで、しっかりと取材をしているので贋作のリアリティがあります。骨董の世界は価値と値段を見極めるのは素人にはむずかしいので騙されやすいようです。美術ブローカーの騙し手口は、不動産詐欺の地面師のやり方です。

アート自体がいかがわしさを含んでいるので、いかがわしいものがアートとも言えます。アート=教養ではなくそれに+いかがわしい人物で美術ミステリー小説に仕上がっています。短編集で関西弁の軽妙な会話でテンポがよいので読みやすい。

3Dプリンターで古銭の贋作を作る話が面白かった。だましのテクニックは同じでも贋作作りの技術はテクノロジーの進歩により贋作対象が増えて、より巧妙になっているようです。

 

 

 

 

 

グレートコンジャンクション

木星土星が重なるグレートコンジャンクションが2020年12月から始まります。地の時代から風の時代に変わり、これから大きな変化が起こるでしょう。コロナがその予兆のような気がします。

「新型コロナはアートをどう変えるか 宮津大輔著 光文社新書」をよみました。冒頭から14世紀・ヨーロッパの黒死病の記述があります。1日から7日で発熱し皮膚に黒紫色の斑点や腫瘍が現れて死に至ることから黒死病と呼ばれ恐れられた。ペスト大流行はモンゴル帝国に端を発し、モンゴルの支配地域は朝鮮半島から東ヨーロッパまで及び、広大な領土の統治と貿易振興のため整備した駅伝制度により、中国で発生したペストは猛烈な勢いでヨーロッパに広まった。

ペストはヨーロッパの経済や社会を大きく変え、イタリアからルネッサンスが始まり中世から近代への大きな転換点となりました。これからは情報化社会が一層進み、ライフスタイルが大きく変わります。

風の時代にはハード経済からソフト経済に移り、世界の富裕層の交代が起こるでしょう。その結果新しいアートが生まれてくると思います。

世界のアートはヨーロッパ、アメリカの西洋美術のルールで動いていますが、長期的に見れば東洋美術が世界をリードするようになると思います。

 

 

オピーの評判と価値

ノルウエーの映画ヘッドハンターを見ました。

ヘッドハンターの主人公が転職依頼の顧客に、自分で応募した時点で価値がないという場面がありました。

その部屋にはオピーの絵が飾ってあり、それを指してなぜ白黒の単調な絵が25万ドルするのか、その理由は評判だと説明する。評判が価値を決める。自分で応募するな、ヘッドハンターに任せれば収入を4倍にできると言う。

評判によって価値が決まるというのは一理ある。アートだけでなく、行列のできる店も人が並ぶことで評判が高まり店の価値が上がる側面があると思います。評判がすべてではありませんが。

アーティストは自分で作品を売り込むより制作に専念して、作品の評判を高め価値を作っていくアートプロデューサーに売り込みを依頼するようになると思います。日本にも優れたアートプロデューサーが存在します。