bouzan takami

書的田舎暮らし

多様性を楽しむ生き方

多様性を楽しむ生き方 「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント ヤマザキマリ

古代ローマから現代日本のように長い時間軸。日本とイタリアの空間軸。古今東西を使って多様性について具体的に書かれています。

昭和の時代は日本が高度経済成長を遂げた時代です。今日より明日はもっと豊かになる。誰もが希望を持てた時代です。その時代に著者は17歳でイタリアに留学して、いろんな苦労をしているので、日本イコール昭和の記憶が鮮明なのでしょう。少し昭和を美化しすぎのように感じます。

後進国と言われていた国が高度成長を始めて豊かになって元気です。先進国は成長率が落ちて閉塞感があっても豊かです。世界全体が豊かになってきているので悲観的になる必要はない。著者は人はどんな環境でも楽しみを見つけることができるといっています。その通りだと思う。

著者は17歳でイタリアで一人暮らしをしています。自分の意見をはっきり言わないと伝わらない。何もかも忖度して自分が考えていることが言えないのは多様性の時代を生きていけない。

多様性とは自分と他人の違いを認めて、相手の意見を聞くこと。はっきりと自分の意見を言うこと。

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風車

 

 

 

プログラマーがアーティストになる

レンブラントの身震い マーカス・デュ・ソートイ著 富永星訳

原題はThe Creativity Codeです。数学者がAIの創造力について書いた本です。チェスのチャンピオンが人工頭脳に敗れてから20年。AIは進化して今は創造力を持つようになりました。絵画、文学、音楽の創造力の分野にAIが使われるようになってきてオークションでAIが制作した絵画が高額な値段で落札されています。

 

いまは人がプログラムしたとおりにしか作品を作れないようですが、AIが自己学習能力をたかめていけば優れた作品を制作できるようになるでしょう。AIと人の創造力は同じではない。お互い影響してクリエイティブを高めていくようになります。これからはアルゴリズムを理解するアーティストが先端を走ることになると思います。

 

アルゴリズムをテーマに制作する日本人アーティストの作品が世界で評価されている。作品はすべて完売するようです。

 

 

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春蘭

 

冬季特別展示「今森光彦-自然と暮らす切り紙の世界-」

書写の里工芸館で冬季特別展示「今森光彦-自然と暮らす切り紙の世界-」展が開催されています。会期/令和3年(2021年)1月6日(水)~4月4日(日)

 

切り紙の魅力にはまりました。写真集で見るのと違って、実物は迫力があります。原画、切り紙の習作が展示されていて製作工程がよくわかるように展示されていました。

世界を旅して自然と動物を撮る写真家で切り紙の作家です。アトリエの庭に里山を作り、自然の中で生きる生き物を観察する。そこから生まれる切り紙の作品を見ると癒されます。

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書写の里工芸館今森光彦-自然と暮らす切り紙の世界

 

書写の里工芸館には華厳宗管長、東大寺第207世別当 清水公照師の書、焼き物、泥仏が常設展示されています。

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書写の里工芸館01

泥仏の展示されているエリアは写真撮影が許可されています。

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書写の里工芸館 泥仏のエリア

 

絵そらごとの楽しみ ― 江戸時代の絵画から ―

兵庫県立歴史博物館 絵そらごとの楽しみ ― 江戸時代の絵画から ― 

会期:令和3年1月30日(土)~3月21日(日)

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兵庫県立歴史博物館01

 

絵空事とは事実でないことを誇張して伝えることですが、誇張することで作者が伝えたいことをわかりやすくすることが出来ます。山水画、屏風、どうぶつの絵、人々の営みを「絵そらごとの楽しみ」をキーワードにして展示されています。

 

源平合戦図屏風 」一の谷合戦にまつわるいくつかの場面を散りばめた屏風です。
えがかれる人物は総勢およそ500人。有名な坂落しや敦盛と直実のエピソードもえがかれます。屏風に物語を描くにはリアリティより絵空事のほうが伝えやすい。

 

「江戸時代の書」を見ると、江戸時代は鎖国体制で平和な時代が続き、日本の文化が成熟した時代です。書は中国から伝わりましたが、江戸時代に和様の美しさが生まれました。中国では科挙に合格したエリート以外識字率は低かったようですが、寺子屋が普及した日本では識字率は高かったようです。和様の書には用の美があると思います。

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兵庫県立歴史博物館02

兵庫県立歴史博物館の道路をはさんで南側には姫路市立美術館があります。

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兵庫県立歴史博物館03

 

もう春ですね

もう春ですね。フラワーセンターに花を見に行きました。

広場の菜の花はまだ咲いていませんが、大温室の中は暖かくて、彩鮮やかです。気持ちが暖かくなりました。大温室エントランスで「七段飾り」の雛人形や「かわり雛」のほか「お花のおひな様」などの展示がされています。古代鏡展示館は改築工事中で見ることができません。残念です。

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フラワーセンター01

大温室エントランスにお雛様が飾ってあります。隣の喫茶室は営業していました。

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フラワーセンター02

大温室 暖かくて気分は南国。

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フラワーセンター03

花のあるプール。こういう花の飾り方もありかも。

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フラワーセンター04

 

三行で撃つ

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2月14日

三行で撃つ 近藤康太朗著

ハードボイルド小説かと思ったら文章術の本だった。

書き出しは「ちょっとうまく書けたら、と思う人へ」から始まる。

ちょっとうまくメールやブログ文章が書けたらと思って購入しました。

第1章第1発。三行で撃つ。書き出しを外すと、次はない。なるほど文章の書きだしから読者の興味を引き付けないと読んでもらえない。その通り。この本も三行読んで購入しました。さすが朝日新聞で文章を鍛錬した著者の文章力は強力です。

 

村上春樹の「風の歌を聴け」のように英語で書いて、後で日本語に書き直したら、主語が明確になりますが、日本語は主語が抜けていても文章の意味は伝わるので、英語のように主語に拘らなくてもよい。その通りだと思います。

短文で書くだけでは文章が単調になるので、長文を入れることでリズムのある文章になる。心がけたいと思います。

第20発までは文章の書き方、心構えが書いてあり、勉強になりました。

 

第20発からはライターの心構え、何のために文章書くか、生きるために文章を書く。

書きながら新しい発見をし、人生を切り開いていく。書くことは生きることだと書いてあります。

この本を読み終われば気分は小説家になれます。

 

 

坂口安吾の未発表原稿発見

共同通信社の記事

 堕落論」などで知られる作家坂口安吾(1906~55年)が太平洋戦争前に執筆したとみられる原稿用紙41枚の未発表作品が見つかったことが10日、分かった。
浅子逸男・花園大教授(日本近代文学)が昨年11月に東京都内の古書店で入手し、
坂口安吾全集の編集に携わった文芸評論家の七北数人さんと分析を進めていた。

 浅子教授は「一度、活字になった原稿ではなく、未発表の生原稿が出てきたのは大変な衝撃。戦中から戦後に至る安吾作品の流れが分かり、とても興味深い」と語った。
浅子教授によると、筆跡や言葉遣いから安吾の直筆と断定。使われた用紙から36~41年の執筆とみられる。

坂口安吾は好きな作家です。「桜の森の満開の下」は何度も読み返しました。読者を突き放したような剛直な文体に惹かれます。堕落論を書いて戦後流行作家になり旺盛な執筆活動をしましたが、未発表原稿が書かれたのは不遇な時期だったと思います。

優れた作家は売れない荒野の10年を糧にして大成します。坂口安吾の雌伏していた時代の原稿を読んでみたい。